詩「 ゆうぐれ 」

 

1.

 

 

近づくことができない

 

あの日の禁止された色彩に

 

よせた おもいは

 

胸の内のどこかの

 

血管を

 

しめつける

 

 

 

 

2.

 

 

青のささやきが

 

なくしたものを

 

掘り起こす。

 

夢中になって。

 

鳴き声は

 

かすかな ふるえに

 

変わって

 

空がまた かなしくなる。

 

 

 

 

 

 

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詩「 黄金の宝石 」

 

 

「 金色の宝石 」

 

 

やさしさはまるで宝石だ

 

白い建物の部屋の中の奥の

厳重にみえるガラスケース

 

そこに丁重に展示してある

 

まばゆい光が

空高く

届かない場所にあるけど

 

そんなものは簡単につかみとれる

 

もし無理だと思うなら

それはただ

つかもうとしなかっただけ

 

臆病者は

まるでやさしさだ

 

誤解に誤解を重ねて創られた守られた

お城

 

そこでうずくまり動かない

 

美しき人々が

ほんの数センチ上に立っているけど

 

そんなことは何にも気にしていない

 

もし気がかりなら

それは 

ただのつくりあげた幻想

 

羽根をひろげた

紫の光に似た

花びらの先には

白く光る水玉

 

たれて落ちてしまったら

無限に闇にひろがり

きれいだった思い出は

汚されていく

 

程よい金色の

危ない思考たちだ

 

 

 

 

 

 

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詩「 甘い思い出 」

 

「 甘い思い出 」

 

 

 

シュガー シュガー シュガー

so sweet

 

 

海辺の貝殻と

窓辺の灰皿

 

 

夏は終わらない気がしてた

 

 

苦い 苦い 苦い

このふるさと

 

 

ろくでもない噂と

うわついた態度

 

 

ブレンドを失敗した珈琲だ

 

 

夕暮れのさみしい風は

まるで孤独のよう

 

 

どこからか騒ぎ声がきこえて

まったく関係がない気がしてた

 

 

シャツのボタンがはじけ飛んで

 

床に落ちたら

 

時が止まる

 

海は揺れる

 

儚き太陽はさらに 赤くなりそうだ

 

 

飲み干したのは ゆっくりと

横切って行った あのオープンカー

 

 

ゆらめきの中で

 

 

波は白く

 

 

溶けない氷と一緒に

 

空の鏡へ 飛び込んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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詩「 キャンドル 」

 

「 キャンドル 」

 

 

火の玉が 燃えさかり

夜空に とけようとしている

 

だけど私は 何にも満たされない

 

冷めた態度で 大人にでもなったつもりが

まるで何もわかっていない マスコット

 

炎に照らされた 青臭い顔

恥ずかしげもなく さらしていた

 

愛すべき評論家は 愛すべき友だ

力いっぱいハグをして

 

愛をこめて 背骨がバキバキと

音を奏でるくらい

 

壁の中騒ぎ立てる虫が 気がかりだと

目隠しをしてこの身を 闇の中にほうりこんで

 

目隠しをはずしても

 

闇しか見えなかった

 

だけど闇の中に さらに黒く光る闇が見えて

 

さらにその奥に 青黒く風が見えて

 

それは 今まで一度も見たことがなかった

 

だから うれしかったんだ

 

お祝いに 火をともそう

 

瞳の奥の電流に反応するような 火を

 

 

 

 

 

 

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詩「 ひまわりの花を見て泣いていた君 」

 

 

「 ひまわりの花を見て泣いていた君 」

 

 

 

 

ひまわりの花が山を占拠した

 

 

針のようにのびる木々が

天から降る雨と衝突しているというのに

僕ときたらのんびりと

カレーレイスを食べている

平和な日々

 

 

もぎとったポケットの中の飴玉は

子供たちのおふざけみたいだ

感傷のような甘い味だ

 

 

舌なめずりをした猫が

盗人のように駆け抜けたら

 

雨はやんでいるのだろう

 

 

モノクロームの写真は

読みかけの本に

しおり代わりに はさんでいたけど

ストーリーの続きはどうでもよかった

 

そこで静止していた

通りを歩く人にまぎれて

 

 

ささやいている何回も

 

聞こえているはずなのに忘れていた

見えているはずなのに描けない

影の中

 

 

僕はただ悲しい

 

つかめないものがたくさんあるから

 

 

 

 

 

 

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詩 「 レクイエム 」

 

「 レクイエム 」

 

 

逃げることもしなければ

追いかけることもしない

どうせ出逢うとわかっているから

いくつもの線はどこかで意味づけされて

辺となり図形となり立体となる

不安ばかりの図面は

そのままゴミ箱行きにでもしてみようか?

 

 

拾うこともしなければ捨てることもしない

ずっとそれはそこにあって

持ち歩かざるを得ないものだから

宿命なんて言葉は難しすぎる

だけどそれより簡単な言葉が見当たらない

答えを探すことほど難しいことはない

問いかけばかりしていればこんなに楽なことはない

混乱しているふりでもしていたいんだけど

混雑しているところでそんなことはできない

 

 

楽な道を歩けば衰退する

ちょっと険しい道に挑戦する

どっちがいいというわけでもない

悪いことならいくらでもする

悪いことばかりしていれば良いこともしたくなる

良いことばかりしていれば

神様にでもなれるかといえば

そういうことでもない

 

 

人として生きることは神になることではない

人として死ぬことは偉大なことだ

死んでいった人たちに言いたいことは

今まで生きてくださって

ありがとうございましただ

 

 

 

 

 
 

 

 

詩「 放課後 」

 

 

「 放課後 」

 

 

こぼれ落ちる手前で止まる

涙を感じて

 

 

傾きかけて太陽は

午後四時くらいで

 

そこには ただ 一人が ある

 

 

魂がオレンジ色に変わるとき

 

 

境界線がみえて

 

火ぶたがきられた

 

 

 

 

私の世界は わずか数百メートルで

終わるのかもしれないけど

 

心の自由は

いつまでも続いていたから

 

解剖された時間を

 

ひとつひとつ 取り出しては

 

どこかに美しいが模様でもないかと

 

目を凝らしてみつめていた

 

 

 

空席が 夕暮れの光に 照れされて

 

それは 明日がくる証拠に なるだろうか?

 

 

 

細く長い影は

夜に続くのか

 

大切にしていた

木箱のなかにある

言葉に消えていくのか

 

 

 

枯葉が散ってしまった

木の下で 私が立ち止まる。

 

 

 

 

 

 
 

 

 

 

詩「 卒業 」

 

詩「 卒業 」

 

 

 

かなしいくらいに暖かい

三月のまっ白な光の中に

 

 

散らばっている 断片を

 

拾い集めていた

 

外に出るのが嫌で

そこにずっと いたかったんだ。

 

そうすれば

 

離れずにすむから。

 

 

はじまりなんて なくてもいい

 

 

終わってしまったままでいい

 

 

心をおいてけぼりにしたまま

 

歩いていくことの何が悪い

 

 

生温かい海に

身体を浸して

そのままでいたい

 

だけど

 

読み終えた本のストーりーは

続いていくと

知っている

 

 

時計はこわれたままで

棚の奥にしまいこんで

 

おやすみを ささやけば

真夜中に響いて

 

 

遠ざかる冬の日が

心を少しづつ空っぽにする

 

 

 

長い長い白昼夢が終われば

階段の先には

 

次の扉がみえていた

 

 

ひとつめ水面.jpg

 

 

 
 

 

詩「 黒い街 」

 

 

詩「 黒い街 」

 

 

黒い街は 刻まれた 涙の海

 

 

風が色づくころに 今日が終わる

 

 

 子どもの声が どこからか 聞こえて

 

途方もなく 彼方の未来が

 

じりじりと近づく

 

 

淡くうっすらとした 森に

 

愛しき人達の 幻影をみながら

 

何かを惜しんでいた 寒い夕暮れ

 

 

夜が来る前に ふりかえっていた

 

まばゆい光の下で みた

一瞬の 笑顔を

 

眠くなる前に 扉をしめて 

 

すべての景色を 塗りつぶした

 

 

街はまた黒くなる。

 

 

 

山鹿夕暮れ.jpg

 

 

 

 

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詩 「冬の日」

 

「冬の日」

 

 

まったく知らないものどうしが

隣り合わせ

 

 

未知の世界が箱詰めされて

手垢のついた札束の匂いがする

 

 

色があわせてあっても

色は完全にあわない

 

それでも思わずほくそ笑む

乾いた花束の香りをかぐ

 

 

日が暮れても

明日がまた現れて笑いかけるだろう

 

だから泣くな

空を飛ぶ自由な鳥たちよ

 

 

見えない壁はそんな声くらいでは

こわれないけど

 

とどいているはずだ

 

人の胸に

 

 

今日も光は青の白

 

冷たくもやさしい

 

 

冬はただ

 

 

あたたかい。

 

 

 

 

露と雑草.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

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